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うたごえシンク
OBSマイク音ズレ補正・設定マニュアル

初期設定から、精度の高い計測を行うためのコツまで詳しく解説します。

1. OBS Studioの準備

うたごえシンクは「obs-websocket」という機能を使ってOBSと通信し、設定を自動で書き換えます。
まずはOBS側でこの機能を有効にする必要があります。

  1. OBS Studioを起動します。
  2. 上部メニューの ツールWebSocket サーバー設定 を開きます。
  3. 「WebSocket サーバーを有効にする」にチェックを入れます。
  4. 「認証を有効にする」にもチェックを入れ、好きなパスワードを設定してください。
    ※ポート番号は通常「4455」のままでOKです。
  5. 「適用」または「OK」を押して閉じます。

2. アプリの接続設定

アプリを起動すると、自動的に接続を試みます。
初回はパスワードの設定が必要ですので、設定画面を開いてください。

1 設定画面を開く

アプリ右上の 設定 (歯車アイコン) をクリックします。

2 パスワード入力

OBSで設定したパスワードを入力し、保存して接続 を押します。

接続成功!
うたごえシンクの画面左下に ● 接続済み という表示が出れば準備完了です。

3. 計測の手順 (重要)

🎧

物理的なセットアップ

うたごえシンクは、実際にイヤホンやヘッドホンから出た音をマイクで拾い、その時間差を計算します。
そのため、物理的に音を聞かせる必要があります。

正しい配置:

  • 普段使用しているヘッドホンまたはイヤホンを用意します。
  • 音が出る部分(イヤーパッドの内側)を、マイクに密着させるように近づけてください。
  • 計測中は、手で持ったまま動かさないようにするか、テーブルの上などで固定してください。
🔊

テストトーンの再生と計測

再生音量にご注意ください
テストトーン再生時に大音量が流れると、機器の破損や聴覚へ影響を与える恐れがあります。必ず適度な音量から開始し、必要に応じて徐々に上げてください。

  1. アプリ上で「基準ソース(デスクトップ音声/自動)」「測定するマイク」「反映先ソース(カラオケ/BGM/マイクなど)」を選択します。
    ※計測には「デスクトップ音声」または「音声出力キャプチャ」が必要です。
    本アプリはPCから再生される音(テストトーン)を基準にするため、その音がOBSに入力されている必要があります。
    OBS Studioの計測に使用するシーンに、「デスクトップ音声」や「音声出力キャプチャ」など、テストトーンが再生されるデバイスの音声を拾うソースがあることを確認して測定に進んでください。
  2. 「全自動計測スタート」ボタンをクリックします。
  3. 数秒間、「ヒュン、ヒュン」というテストトーンが流れます。 ※この音がマイクに入力されることで、遅延が計算されます。
  4. 計測が完了すると結果画面が表示されます。必要に応じてリストから選んで数値を増減(微調整)することも可能です。
    決定後、「✅ OBSに適用する」ボタンを押すと、OBSの「同期オフセット」が更新されます。

ソースの選び方は?(あなたの配信スタイルに合わせて選択してください)

アプリ画面にある3つの項目を、ご自身の環境(パターン)に合わせて設定してください。
基本的には、「測定」も「反映先」も 同じマイク を選べばOKです。
同期オフセットを熟知している上級者の方は、別のソースを選んでも問題ありません。

パターン① OBS Studioの初期設定(デフォルト)のままの人

特別な設定をせず、PCにマイクを繋いでそのまま配信している場合

🖥️ 基準ソース
自動検出 (推奨)
🎤 測定するマイク
「使用するマイク」
🎵 反映先ソース
「使用するマイク」
パターン② 設定でデスクトップ音声を無効にしている人

基準ソースが自動検出できないため、使用している音声出力キャプチャを設定するか
OBS Studioの音声設定で、一時的にデスクトップ音声を有効にしてください。

🖥️ 基準ソース
自動検出 (推奨)
または
音声出力キャプチャ
🎤 測定するマイク
「使用するマイク」
🎵 反映先ソース
「使用するマイク」
💡 ポイント:
「基準ソース」は、テストトーン(PCの音)が流れているデバイスを指します。基本は「自動検出」でOKです。
「測定するマイク」と「反映先ソース」は、通常は同じマイクを選びますが、別のソースを選ぶことも可能です。
テストトーンは-15dB以上でマイクに届くように調整してください。
入力レベルが低いと、正確に計測できない場合があります。

4. うまく計測できないときは?

「計測失敗」となったり、極端な数値が出る場合に確認するポイントです。

⚠️ 計測が失敗する場合(YAMAHA AG / Steinberg URなど)

YAMAHA AGシリーズやSteinberg URシリーズなどのオーディオインターフェースをご利用の場合、機器特有の機能が自動計測に干渉してしまい、計測が失敗するケースが報告されています。
以下の5点をご確認ください。

【1】「ループバック機能」をOFFにする(※重要)

PCの音を再度配信に乗せる「ループバック(Loopback)」機能がONになっていると、計測用の信号が二重に入力されてしまい、正常に計測できません。

■ YAMAHA AGシリーズ の場合
本体中央にあるスライドスイッチを [LOOPBACK] ではなく、[INPUT MIX] または [DRY CH 1-2] に切り替えてください。

■ Steinberg URシリーズ の場合
設定ソフト「dspMixFx」を開き、Loopback設定が [OFF] になっていることを確認してください。

【2】「ダイレクトモニター」を切る(※重要)

マイクに入った音がそのままヘッドホンから聞こえる状態だと、計測音がヘッドホンとマイクの間でループしてしまい、波形が崩れて失敗します。

  • URシリーズの場合:MIXノブをDAW側へフルに回すなどして、ダイレクトモニター機能をOFFにしてください。
  • AGシリーズの場合:[MONITOR MUTE] ボタンか [MIX MINUS] ボタンを [ON] にしてください。
【3】基準ソースの選択を「デバイス名」指定にする

アプリ画面の「基準ソース」で「自動検出(推奨)」を選択している場合、仮想ケーブルなどが設定されていないか確認してください。

対処法 OBS Studioの設定の中にあるグローバル音声のデスクトップ音声に、お使いの機器名が設定されている事を確認してください。
デスクトップ音声を無効にしている場合は、アプリのプルダウンメニューから、[AG] や [UR] など、お使いの機器名が設定されている音声出力キャプチャソースを直接選択してください。
【4】ヘッドホン音量とマイクゲインを上げる

このアプリは「ヘッドホンから出た音をマイクで拾う」ことで計測します。音が小さいとノイズに埋もれて正しく計測できず失敗します。

  • 🔊 ヘッドホン出力(PHONESつまみ):普段より少し大きめに上げてください。
  • 🎤 マイクゲイン(GAINつまみ):マイク入力が小さすぎないよう調整してください。
  • 🎧 密着させる:ヘッドホンのイヤーパッド部分をマイクにしっかりと押し当ててください。
【5】サンプリングレートを一致させる

Windowsの設定とOBS Studioの設定で「44100Hz / 48000Hz」の数値が異なると、正しく計測できない可能性があります。

  1. OBS Studioの「設定」→「音声」→「サンプリングレート」の数値を確認します(通常: 48kHz)。
  2. Windowsのタスクバー右下のスピーカーアイコンを右クリック →「サウンドの設定」を開きます。
  3. 入力(マイク)と出力(スピーカー)のプロパティを開き、形式(フォーマット)の数値がOBSと同じになっているか確認してください。

※AG06/UR22C専用のドライバ設定画面(Yamaha Steinberg USB Driver)がある場合は、そちらの数値も合わせてください。

それでも改善しない場合:
アプリの設定から「計測精度(試行回数)」を「高精度(10回)」に変更していただくか、仮想オーディオデバイス等で特殊な接続になっていないかもご確認ください。
それでも解決しない場合は、BOOTHのショップからお問い合わせください。
接続状況などの詳細をお伺いいたします。
📢

音量が小さすぎる

テストトーンが小さすぎると、うたごえシンクがテストトーンを検出できません。
テストトーンの再生音量を上げるか、一時的にマイクのゲインを上げて、入力レベルが-15dB前後になるように調整してください。

🤫

環境音がうるさい

エアコンの音やPCのファンノイズが大きいと、誤検知の原因になります。
計測の数秒間だけは、できるだけ静かな環境を作ってください。

👾

ボイスチェンジャーの設定

ボイスチェンジャーを使用している場合、場合によってはテストトーン(高い音)が除去されてしまい、うまく計測できない可能性があります。
その場合は、計測時のみ、エフェクトを弱めるなどをお試しください。

🔄

OBSのソース選択

アプリで選択した「測定するマイク」が、OBS Studio上で正しく音声を入力しているか確認してください。
OBSの音声ミキサーでメーターが動いていない場合、計測できません。

5. 詳細設定(こだわり派向け)

設定画面では、計測アルゴリズムの微調整が可能です。
通常はデフォルトのままで問題ありませんが、環境に合わせて変更できます。

システム遅延の補正

OS自体のサウンド処理にかかる微細な遅延の補正値を、リストから選んで減算できます。
パソコンの処理能力や環境によっては、「計測結果だと少しだけ遅い気がする」という場合があるかもしれません。
その場合は調整してください。

計測精度(試行回数)

1回の計測で何回テストトーンを測定するかを設定します(標準:6回 / 高精度:10回)。
回数を増やすと時間はかかりますが、突発的なノイズの影響を受けにくくなり、サンプル数を増やすことで同期オフセット値の検出精度が向上します。

6. その他の機能・設定

ダークモード / ライトモード

設定画面からアプリのテーマカラーを変更できます。
配信画面や部屋の明るさに合わせて、見やすいテーマを選択してください。

アプリの設定 > アプリのテーマ

表示言語 / Language

日本語のほか、英語・中国語(繁体字・簡体字)への表示切り替えに対応しています。
「Auto」を選択すると、お使いのPCの言語設定に合わせて自動的に切り替わります。

アプリの設定 > 言語 / Language

7. 動作確認済み Bluetooth機器リスト

ユーザー様からの報告および開発環境でのテストに基づく動作状況リストです。
※PC環境やBluetoothアダプタの性能によって結果は変動するため、動作を完全に保証するものではありません。

良好に動作

特別な設定なしでそのまま計測できます。

  • audio-technica
    ATH-CKS330XBT
  • GEO
    骨伝導ワイヤレスヘッドホン GRFD-BCH BH330

8. 自動計測非推奨・注意が必要な機器リスト

以下の機器は、アプリは正常に動作するものの計測が失敗してしまう事例が報告されています。

🚫 自動計測が困難、または設定に注意が必要な機器

設定でエフェクトをOFFにしても内部処理により失敗する、あるいは特定のモードでないと動作しない可能性がある機器です。

  • Creative
    Sound Blaster X-Fi Go! Pro
    ※機器特有の機能を全てOFFにしても、計測が失敗してしまう事例が確認されています。
  • Anker
    Soundcore Life Q30 などのANC搭載Bluetoothヘッドホン
    ※計測終了するものの、ノイズキャンセリング機能等が干渉して正確な数値が出ない事例が確認されています。
  • ゲーミング用USBオーディオアダプタの一部
    ※機器特有の機能を全てOFFにしても、計測が失敗してしまう可能性があります。

9. エラーメッセージと対処法

アプリ内に表示される主なエラーメッセージをクリックすると、原因と解決策が表示されます。

🔊 音量・ミュート関連 (計測開始直後)

⚠️ 「○○がミュートされています」「○○の音量が0です」
原因:OBS Studio上で対象のソース(マイク/デスクトップ音声/反映先)がミュートになっているか、音量フェーダーが最小(-∞ dB)になっています。
対処:OBS Studio側を確認してミュートを解除するか、音量を上げてください。
⚠️ 「音量が足りません」 / 「雑音が大きすぎます」
原因:マイク入力が小さすぎる、または環境ノイズが大きすぎる状態です。
対処:
  • マイクとイヤホンやヘッドホンを密着させる
  • 再生音量を上げる
  • マイクのゲインを上げる
  • ノイズ抑制フィルタを追加するか静かな環境で再試行する

📉 解析失敗・データ不足

⚠️ 「計測失敗: 音を検出できませんでした」
原因:計測期間中に音声データが十分に届いていない(データ不足)、または検出した音の波形が一致しないなどの内部エラーが発生しています。
対処:
  • OBS Studioの「音声モニタリング」設定がオンになっているか確認する
  • OBS Studioが高負荷になっていないか確認する
  • 突発的な物音が入らない静かな環境で再試行する

⚙️ システム・OBS Studio連携エラー

⚠️ 「エラー: リセットに失敗しました」 / 「失敗: [エラー内容]」
原因:OBS Studioとの通信や書き込み処理に失敗しました。
対処:再接続するか、アプリおよびOBS Studioを再起動してください。
⚠️ 「OBSの制限により、-950ms より小さな値は設定できません」
原因:OBS Studioの仕様による制限です。
対処:これ以上マイナスの値(-951ms以下)は設定できません。

10. よくある質問

インストール時に青い画面(警告)が出る
Windowsの「SmartScreen」による保護機能です。個人開発の未署名アプリに対して表示される仕様です。
安全にご利用いただけますので、以下の手順で実行してください。
手順:「詳細情報」をクリック → 出てきた「実行」ボタンをクリック
「オフライン」のまま繋がらない
以下の点を確認してください:
1. OBS Studioが起動しているか
2. OBSの「WebSocketサーバー設定」でサーバーが有効になっているか
3. ポート番号(初期値4455)とパスワードが一致しているか
計測結果が「0ms」になる、またはエラーが出る
マイクがテストトーンを拾えていない可能性があります。
・イヤホンやヘッドホンをマイクにもっと近づける
・テストトーンの再生音量を上げる
・OBS側で正しいマイクソースが選択されているか確認する
・ノイズが多い可能性があるため測定マイクにノイズ抑制を入れてみる
これらを試してみてください。
ClarityVX等の声以外を消すタイプのノイズリダクションはどうしたらいいの?
高度なノイズ処理を行うタイプのノイズリダクションをフィルタに設定してても使えます。
ノイズリダクションプラグインのリダクション量を、測定時のみ下げて対応してください。
テストトーンがOBS Studioに入力されていれば問題ありませんが、ノイズが多いと誤計測の原因になります。
何度か計測してみて、安定するリダクション量を探してみてください。
例:ClarityVXであれば20~40%くらい
AIボイスチェンジャーとかでも動く?
適用量を操作できるタイプのボイスチェンジャーであれば問題なく使えます。
そのまま測定して頂いてうまくいかない場合は、ボイスチェンジャーの適用量を0%にして測定を試みてください。
ボイスチェンジャーは掛かってないけどボイスチェンジャーを通過している状態を作れれば同期オフセットの数値は測定できます。
少し運用が複雑になってしまうかもしれませんが、ぜひお試しください。
Bluetoothイヤホンを使って計測したが、まだ遅延が残っている気がする
高機能なBluetooth機器の場合、通信安定化のための「可変バッファ」や「ノイズキャンセリング機能」が干渉し、本来の遅延量よりも短く(早く)計測されてしまうことがあります。

対処法:
  • 付属ケーブルを使い、有線接続(AUX)して計測する(最も確実です)。
  • ノイズキャンセリング外音取り込み装着検出機能をOFFにする。
  • 計測完了後の画面にある「好み調整」リストから「🐢 +40ms」などを選択し、手動で補正値を足す。